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Seiji Asanuma
お菓子作り責任者
浅沼誠司 |
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栃木県は日本一の大麦の産地。大麦にこだわり、大麦を知れば知るほど、「すばらしい素材だなぁ・・・。」とあらためて深く感じます。大麦を生産している農家の方々と接していても、農家の人々の真剣さ、こだわり、愛情、技術、とてもマネのできないくらいで、敬意をもって私も大麦を大切に使わせていただいております。
ところが、その大麦、市場で価値を生みません。麦めしの需要は小さく大手ビール会社は全量引き取らず、生産高の半分は飼料にまわります。価格もつきません。
栃木県は日本一の大麦の生産地。もっともっとわれわれ日本人は今こそ、大麦を食べるべきなのです。麦めしの需要が少ないのなら、もっと別の加工法はないのか?私はお菓子屋です。ではお菓子屋として何ができるか・・・?大麦を使うことが、ひいては栃木県の農業経済のためにもなると、勝手に使命感を持って、大麦のお菓子をここまで開発してまいりました。
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足利から東京に行く時、東武伊勢崎線に乗ります。福居駅を過ぎるころから5月〜6月頃には一面の麦畑。小さな頃は米だと思っていました。
調べていくと栃木県は日本一の大麦の生産地。大麦でお菓子ができないか?大麦ってなに?どうやって食べるの?日本全国の大麦の加工を調べ、そして、大麦を焙煎して粉にした「麦こがし」に出会いました。
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そして、「麦こがし」を使ったお菓子の試作が始まりました。カステラ、マドレーヌ、ブルトンヌ・・・あらゆる基本配合に試していったところがダクワーズ生地がとても相性がよく「これはいけるぞ!」と思いました。
メレンゲ生地なので大麦の香ばしさを邪魔しない、かつ一口目で大麦が生きて食感、口溶け、後味、日本人好みの構成になっています。そして、1997年11月に発売となりました。
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最初の頃は、既製品の麦こがしを使っていました。既製品では様々な産地の大麦がブレンドされています。なんとか足利の大麦だけを使いたい。
当時、苺を通してお付き合いのあった長谷川さんが二条大麦をわけてくれました。でもそれを麦こがしにするには、精麦し、焙煎して粉砕しなければなりません。だれもやってくれるひとがいません。
「それなら自分たちでやろう」長谷川農場に朝から晩まで上がりこみ、精米機を借りて、見よう見まね。精麦度は勘だけで(精麦なんてだれもやったことがない)、500キロに挑戦しました。体中、蚊にさされました。
ちなみに精米機はお米の皮をむく機械で、麦の皮をむくものではありません。米と麦とでは皮のつき方が違います。今思えば機械が壊れなくてよかった!
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体中、蚊にさされてようやく精麦した500キロの大麦をトラックに積んで当時既製品の麦こがしを作っていた佐野のA社に持って行きました。
「これで麦こがしを作ってくれ。」「こんな大麦では作れない。」「作れなくてもいい。失敗してもいい。全部買い取る。たのむ!」こんなやりとりをしばらくした後、最後はやってくださいました。
そして出来上がった100%足利産の初めての「麦こがし」。既製品には無いワイルドでドライなお菓子にぴったりの物に仕上がりました。
あれから数年経ち、今では年間10トン、長谷川農場様に大麦をお願いしています。
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| ※足利産の「麦こがし」・・・単一地域指定の麦こがしは世界中でも当社だけのようです。 |